匡未のブログ

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デザインしたのにカオスを産む。

元デザイン系という事もあって、暇なときに過去の様々なデザインを眺めたりする事があります。

そのジャンルは問わず、レーシングカーからアニメやSF映画のメカまで色々。カタチその物もそうですが、時代に伴う作り手たちの意識の変化みたいなものが読めて面白いですね。

このところ「ガンダム」に出て来たザクの系譜を見たりしてますが「ガンダムU.C」に出て来たギラ・ズールが良いです。

量産機としてのザクらしいシンプルさと、それまでのガンダムシリーズの作品に出たザク的なモビルスーツの要素を上手くリミックスしており、「これぞ決定版」という感じがします。

いい仕事しておりますね。

逆に、それまでのガンダムシリーズの、ザク的なポジションのモビルスーツにはデザインラインに混乱が多い気もします。

特に失敗していると感じるのが「Zガンダム」に出て来たハイザックで、存在自体が連邦製のザクという位置付けという特殊な物ですが、しかし「何故わざわざザクのカタチを採ったのか?」が番組の中からはサッパリ見えてこないんですよね…。何か単純に「ガンダム(Mk2)の相手はザク(ハイザック)だろ」という様な、現実のオシゴト的な粗さが感じられ、リアル路線という事からすると台無しという気がしたものです。そして更にデザイン上の混乱は、そこに留まらない印象でした(その最たるモノがモビルスーツのバーザムに現れてしまったのではないでしょうか?)。

そういえば「Zガンダム」が放映された、80年代後半というのは、バブル経済という事もあって「デザイン」が何かと持てはやされ始めた時期でもあり、名古屋の「デザイン博」が丁度その時期の開催でした。実際に博覧会場に行きましたが、今一つ「デザイン」というものを直観的に伝えてる感じがせず、逆にひどく混沌とした印象だけが残っております。

「デザインしたのにカオスになる」という不思議な現象、どうもこの当時はありがちだったのか、今はデザインで高評価の自動車メーカーのマツダも、販売チャンネルが「MAZDA、オートザムアンフィニ、ユーノス、オートラマ」と五つもあって、ひどく解り難いモノとなってました。

それぞれで出していた車のデザインはしっかりしたものだったのですが…。残念な事です。

マツダの多チャンネルにせよ、Zガンダムモビルスーツの乱発にせよ、これらのケース、デザイナーの仕事量が結果に反映されてない感じがして勿体ないんですよね…。

そもそも、感性(官能性)だけでなく、世界観や物語性などを瞬時に直観に訴えるのもデザインの役割の筈で、80年代は、まだ後者が今一つ理解されてなかった感があります(不思議な事に70年代はそれが出来ていた気もします。感性面は粗いのですが…)。

今はそういった混乱を経た後ですから、どこも直観に訴える様に整理するのが上手くなっており、個別のデザインも充分に練られてます。寧ろひどいのを探す方が難しい…。

但し、クルマにせよガンダムにせよ、既に好きな人だけが観る感じとなってしまい、かつての様な、大勢を巻き込む「熱さ」が無いという状況だったりしますので、歯車って合わないものだという気もします…。