匡未のブログ: On The Market

ビジネス系イラストレーターによる不定期な日報。

名刺に載せる情報について。

あるクリエイターさんと名刺交換。

「あ、住所入ってるのヤバいですよ」と注意喚起。神経質かも知れませんが、これは毎回の行事。うるさいのだけどスミマセン…。

何でこうなのかと言うと、あんまり書きたくないけど、結構以前にしつこい「つきまとい」にあったからです。

以下、結構ボカしたり脚色したりで書きます。運悪く、ある偶然で、ボクの個人情報を得た相手から、ある日突然、郵便物が来たのですが、読むと中々背筋の凍る事が書いてあったりで、これは無視せざるを得ず、その内に二度目の郵便が届き、続いて電話攻勢となりました(確か約三カ月)。これは留守電でひたすらスルー。

住所が知られている以上、自分以外にも害の及ぶ可能性があるわけで、しかし特に有効な対策も思いつかず、もし本人がやって来たらどう対処しようか?という感じでもありました。いつやって来るかも分からず、ストレスなのかで胃が痛くなったり、出掛ける度に家が心配となる有様…。

運が良かったというべきか、相手は諦めたのか、やがて電話も収まり、結局は何事も起こらずに済んだのですが、もし下手に相手をして、刺激をしていたらどうなっていたか?という怖さは残り、個人情報の管理については慎重にすべきという結論に至った次第であります。

尚、その相手というのは、昔の知り合いで、その当時は普通に明るく、いわゆる「リア充」と分類される様な人間だったんですよね。ところが長く疎遠となっていた間に、どこかで歯車が狂ったらしく(多分、仕事・人間関係によるものと推測)、そんなしつこい行為に及ぶというぐらいに変わっていて(仕切りたがりで自己顕示欲と支配欲が少し強いかも的な「気配」みたいなのが、あったにはあったのですが、無視できるレベルではありました)、要は、誰が何時どう豹変するか?なんて分からないという事も、その怖さとしてあるという事なのです。

これは血液型占いの様な、単純なタイプ論みたいな話で判断できることではありません。例えば、華やかで爽やかに見える好人物の裏の顔が、案外と残忍で陰湿なんて話は、日々のニュースでも結構伝えられる事ですしね。

更にですが、もしその一件だけなら、ここまで考える事も多分無かったのですが…、つまり、それ以前にもあって(複数)、その時に知られていたのが電話番号やメルアドだけだったのが不幸中の幸いでした。

逆にですが、正直、名刺を貰うこちらの側も、実は住所が書いてあるのって、あんまり有難くは無くて、例えば、貰った帰りにどこかで落っことすとかで、それを拾った第三者が悪用しないとは言い切れず、また、管理・保管の面でも気持ちが少々重いので、正直「住所の情報は要らない」というのが本音です。

そもそもボクはクライアントとかではありません。献本みたいに、こちらから特に郵便とかで送る物もありませんし、その情報は一切不要なのです(それどころかメールを出した事もあまり無い…)。

確かに相手によっては、住所やその他個人情報を出す必要がありますので、それは「必要に応じて出す」というのがベストでしょう。少なくとも「最初のコンタクト」では「最小限に留める」というのが良いと思います。

ただ、これは「人を見たら泥棒と思え」みたいなひどい発想で、非常に気持ち悪いのですが、逆に、出す情報を絞ってリスクを管理をする事で、無駄な不安を減らす事が出来ます。この御時世、そのメリットを取るべきですね。

そこが分かっているであろう作家さんは、やはり「電話番号とメルアド(+HPアドレス)」だけに留めてます。当然、ボクも「その程度」を強く推奨します。

ホントはこんな事を考えずに営業などがやれれば良いのですが…。ここは繰り返しになりますが、誰がどう豹変し、更にはどういう理由でターゲットにされるかなんて分かりません。

その理由は様々で、美形だから狙われるという事もあれば、「ムカつく」という事で狙われるという事もあります。作家さんなら作品などの評価を巡っての揉め事とかも十分あり得、承認欲求みたいな事からしつこくつけ狙われる事もあるかも知れません。タガが外れてエスカレートする可能性だってあります。

正直、あんな怖い思いは誰にもして欲しくありません。ホントに色々と無駄ですからね…。色々なロスもありましたし。

マジで御検討を。

「修行」と称し…。

ギャラリー巡りで絵本関係の展示三か所を回る。

半日で合計21冊くらいのダミーや試作、発行済みの絵本を読む。結構クラクラ…。
全然別の作り手達による、世界観が全く異なる物を連続して読むのは意外とハードで、頭の柔軟性がそれなりで無いと対応しきれない感じではあります(そこが面白いとも言えますが…)。
 
過去に一度「修行」と称し、地元図書館の児童書コーナーで、棚に並んでいる絵本作品を、名前に「あ」のつく作家から始め、片っ端から一つ一つ読んでいくという事をやった事があります。
 
その時は結構頑張って「た」行ぐらいまでは行きました。これはクラクラどころではなかったですね…作品酔いというべきかそんな状態。
 
と、こんな感じで少々ハードではありますが、これはかなり勉強になる方法なのでお薦め。ただ、何かと問題のあるこの御時世、いい大人が児童コーナーに居座ると、不審者扱いのリスクも無いわけでは無いので、一応身分証とか名刺の類は持って行った方が良いかも知れません。
 
ちなみに、その時に結構気になったのが「風の子リーニ/ベッティーナ・アンゾルゲ」という作品。80年代、福武書店(現・ベネッセ)から出版されておりました。本自体は遥か昔に絶版の模様。画像もヤフオクぐらいでしか見つかりません。

そしてもう一冊がこちら。おんなのことあめ

 
気になったので調べてみたのですが、ヤン・クドラーチェクの絵本作品って、復刊されているのはこの「おんなのことあめ」ぐらいで、他は全く無いんですね…。同じく文章がミレナ・ルケショバーによる「ゆきのおうま」など、こちらに匹敵するぐらいのインパクトなのですが…。

それはさておき、「よく知らないんだけど気になる」「趣味じゃないんだけど印象に残る」という物が見つかるのもこの方法で、「意外な作品に反応する自分」を発見できる可能性があります。
 
勉強になるとかカタい事以上に面白いので、お試しを。


デザインしたのにカオスを産む。

元デザイン系という事もあって、暇なときに過去の様々なデザインを眺めたりする事があります。

そのジャンルは問わず、レーシングカーからアニメやSF映画のメカまで色々。カタチその物もそうですが、時代に伴う作り手たちの意識の変化みたいなものが読めて面白いですね。

このところ「ガンダム」に出て来たザクの系譜を見たりしてますが「ガンダムU.C」に出て来たギラ・ズールが良いです。

量産機としてのザクらしいシンプルさと、それまでのガンダムシリーズの作品に出たザク的なモビルスーツの要素を上手くリミックスしており、「これぞ決定版」という感じがします。

いい仕事しておりますね。

逆に、それまでのガンダムシリーズの、ザク的なポジションのモビルスーツにはデザインラインに混乱が多い気もします。

特に失敗していると感じるのが「Zガンダム」に出て来たハイザックで、存在自体が連邦製のザクという位置付けという特殊な物ですが、しかし「何故わざわざザクのカタチを採ったのか?」が番組の中からはサッパリ見えてこないんですよね…。何か単純に「ガンダム(Mk2)の相手はザク(ハイザック)だろ」という様な、現実のオシゴト的な粗さが感じられ、リアル路線という事からすると台無しという気がしたものです。そして更にデザイン上の混乱は、そこに留まらない印象でした(その最たるモノがモビルスーツのバーザムに現れてしまったのではないでしょうか?)。

そういえば「Zガンダム」が放映された、80年代後半というのは、バブル経済という事もあって「デザイン」が何かと持てはやされ始めた時期でもあり、名古屋の「デザイン博」が丁度その時期の開催でした。実際に博覧会場に行きましたが、今一つ「デザイン」というものを直観的に伝えてる感じがせず、逆にひどく混沌とした印象だけが残っております。

「デザインしたのにカオスになる」という不思議な現象、どうもこの当時はありがちだったのか、今はデザインで高評価の自動車メーカーのマツダも、販売チャンネルが「MAZDA、オートザムアンフィニ、ユーノス、オートラマ」と五つもあって、ひどく解り難いモノとなってました。

それぞれで出していた車のデザインはしっかりしたものだったのですが…。残念な事です。

マツダの多チャンネルにせよ、Zガンダムモビルスーツの乱発にせよ、これらのケース、デザイナーの仕事量が結果に反映されてない感じがして勿体ないんですよね…。

そもそも、感性(官能性)だけでなく、世界観や物語性などを瞬時に直観に訴えるのもデザインの役割の筈で、80年代は、まだ後者が今一つ理解されてなかった感があります(不思議な事に70年代はそれが出来ていた気もします。感性面は粗いのですが…)。

今はそういった混乱を経た後ですから、どこも直観に訴える様に整理するのが上手くなっており、個別のデザインも充分に練られてます。寧ろひどいのを探す方が難しい…。

但し、クルマにせよガンダムにせよ、既に好きな人だけが観る感じとなってしまい、かつての様な、大勢を巻き込む「熱さ」が無いという状況だったりしますので、歯車って合わないものだという気もします…。

 

 

「AUTOMATON / ジャミロクワイ」

発売になりましたね、ジャミロクワイの新作「AUTOMATON」。

率直な感想を申し上げると、表題曲の「AUTOMATON」、YOUTUBEにて発表された当初は結構微妙な印象で、周囲に聞いても「ピンと来ない」という意見があって、「ああ、ボクだけじゃないのか…」と思った次第であります。

しかし「何故このスタイルなのか?」と思って何度か聴いてるうちに「これはこれでアリかも」と段々と思える様になってしまうのだから人間の感覚(というか自分の感覚)なんていい加減なモノであると痛感する次第でもあります。

ちなみにこちらがMV。

youtu.be

映像は、どこかメビウスバンドデシネ作品を想起させる感じです…。

…ってか、この曲、リミックスの素材としてスゴク面白く感じられるんですが、どうなんでしょう?丁度、ガンプラ界隈でいう所の「オラザク」を作りたく衝動に駆られる何かがある様な…。

早速、公式から作例が上がってますね。

youtu.be

…実はそれが狙いとか…?

尚、他の曲について、iTunesで試聴した限り、ほぼ従来通りのジャミロクワイのノリであり、少なくとも表題曲の「AUTOMATON」の様な斬新な曲が並んでいるという感じではありませんので、ちょっと不安を感じられた方は安心して良いかと思います。

youtu.be

当方のお薦めは ⑤ HOT PROPERTY、⑦ SUMMER GIRL、⑨ Dr BUZZです。

「なぜあらそうの?/ニコライ・ポポフ」

休日、いかがお過ごしでしょうか?

本日は絵本の紹介です。

「なぜあらそうの?/ニコライ・ポポフ」という絵本がありまして、実はこの間の個展の時にネタとして出したかった一冊がこちらだったりします(例えば、ガチな争いと、プロレス的な闘争の線引きがどこなのか?とか、そういう感じで)。

こちら、過去に初めて読んだときはかなりの衝撃を受けました。

一輪の花をめぐって一匹のカエルと一匹のネズミが争うのですが、そこに次々と、それぞれの増援が入って暴力の連鎖が目も当てられないほどにエスカレートしていくという展開です。

どこか富野アニメ(皆殺し系)に通じる残酷さ…。絵本界の「伝説巨神イデオン」と呼んでも過言ではないかと思います。

尚、内容は絵だけですが十分わかります(そこもポイント高い)。

多分、大抵の図書館にあると思うので、是非一読をお薦めしたいと思います。

もう少し詳しいレビューは下のオールアバウトの記事に書かれております。

allabout.co.jp